セルモーターのオーバーホールは驚くほど簡単!FTR223で実践してみました

セルスイッチを押したときに「セルモーターの回転力が弱い、クランキングできずエンジンがかからない」という事はありませんか?

「バッテリーを新品に交換しても現象が変わらない」「走行距離が多い、長く乗っている」「セルモーターを回す機会が多い」に該当する場合、セルモーターのカーボンブラシが摩耗している可能性が高くなってきます。

今回はセルモーターのブラシ交換作業をお送りします。

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原因の切り分け

セルモーターの回転力が弱い、クランキングできないという不調の原因は次のものが挙げられます。部品を注文する前に原因の調査を行いましょう。

バッテリーの容量不足

バッテリーが弱っている又は上がっている可能性があります。これが原因である場合、充電または新品に交換することで不調は解消します。

バッテリーターミナルケーブル、セルスイッチの接触不良

バッテリーが原因ではなく、セルモーターの単体動作確認でも問題ない場合、配線の接触不良が考えられます。テスターを用いて導通の確認を行ってください。

セルモーターの不良

セルモーターの単体動作確認をした場合、回転が弱かったり、回らない場合はブラシの摩耗または損傷の可能性が考えられます。この場合は、カーボンブラシの交換を行います。

スタータークラッチの滑り

バッテリー、配線、セルモーターのどれも問題がない場合、スタータークラッチの滑りが考えられます。その場合、スタータークラッチの交換を行います。

スターターモーターの分解

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ボルト2本を取り外します。プラスチックハンマーで軽く叩いてやると外れます。

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ブラシの交換が目的だったため、上の状態まで分解しました。アーマチュアの点検を行う際には、ケース本体からアーマチュアを引き抜きます。

消耗部品

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FTR223のブラシ交換に用意した部品はこちらです。送料を含めても4千円あればお釣りが十分にありました。

  • ブラシホルダーセット:31206-KW1-901 1点
  • ターミナルセットブラシ:31201-KS5-901 1点
  • ①Oリング(24.4×3.1):91309-425-003 1点
  • ②Oリング:91320-MB0-000 3点
  • ③Oリング:31207-KS5-901 2点

点検、組み付け手順

リヤカバーAssyの導通点検を行います。正常であれば点検結果は次の通りです。異常がある場合は、リアカバーAssy部品を交換します。

  • スターターモーターターミナルとブラシ間:導通あり
  • スターターモーターターミナルとリヤカバー間:導通なし
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アーマチュアのセグメントに付着したカーボンを清掃します。

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仕上げに接点復活スプレーをウエスに吹き付けて磨きました。

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既存のホルダーからターミナルボルトを取り外します。ブラシスプリングは横にずらしてやると抜くことができます。

ノギスなどを使って、ブラシの長さを測定します。

  • 使用限度:8.5mm以下で交換

取り外したカーボンブラシの長さが規定以上あるにも関わらず、セルモーターの動きが悪い場合、アーマチュアの不良が考えられます。記事の末尾にあるアーマチュアの点検を行ってください。

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ブラシホルダーセットの新旧品を並べてみました。

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ターミナルボルトをホルダーセットブラシに取り付けます。ブラシスプリングを予め横にずらしてやります。

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取り付けた後にスプリングをセットして完了です。

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ブラシホルダーのツメをリヤカバーの溝に合わせて取り付けます。

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ターミナルボルトにナット類を取り付けてリアカバーは完成です。

ポイント!

ワッシャ類は順序を間違えることなく、正しく取り付けましょう。順序はこちら。

「②Oリング(新品)→シム2枚→絶縁ワッシャ→ワッシャ→ターミナルナット」

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フロントカバーの①Oリングを新品に交換します。組み付ける際には、Oリングにエンジンオイルを塗布します。

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③Oリングを新品に交換します。

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フロント、リヤカバーを取り付ける際には「ツメと切り抜き」や「合わせマーク」を合わせて組み付けます。

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スターターモーターを固定する2本のボルトに②Oリングを取り付けて、締め付けて組み立て作業完了です。

使用した工具

  • ラジオペンチ
  • スパナ
  • 接点復活スプレー
  • ウエス

たったこれだけで作業することができました。

アーマチュアの点検

セグメント間のカーボンや金属粉を清掃した後に、テスターを使ってアーマチュアの導通を点検します。点検結果が次の通りであれば正常です。異常がある場合はアーマチュアを新品に交換します。

  • 各セグメント間:導通あり
  • セグメントとアーマチュアシャフト間:導通なし

「コンミュテータ部表面の偏摩耗、損傷」「コンミュテータ部表面の焼損(変色)」が見られる場合は、新品に交換します。

「異常があれば、アーマチュアを交換する。」と記載していますが、単体購入ができないためセルモーター自体を交換することになります。

モーターASSY(ミツバ):31200-KCN-003

最後に

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セルモーター単体で動作確認を行います。正常に動けば作業完了です。写真ではバッテリーに直結させていますが、点検時にはセルモーターの焼損を防ぐ為にヒューズを間に入れて使用してください。

セルモーターのブラシ交換を敬遠してこられた方は、記事を読んで余りの簡単さに驚かれたのではないでしょうか?「簡単そう!やってみよう」と思った方は挑戦してみる良い機会かもしれません。

コメント

  1. りょうた より:

    部品は何処に注文すればいいですか?

  2. 齊藤正彦 より:

    セルモ-タ-ブラシセットの注文はサイト分かりますか。

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