スズキ インパルス フロントフォークのオーバーホールに挑戦しました。
サービスマニュアルには専用工具が色々と必要だと書いてあったのですが、ネットで検索した所なくても大丈夫そうであると判断し用意せずに実践してみました。
そして失敗しました。
困り果て、右往左往した話をお送りしていきます。
専用工具がないと…
- フロントフォークを分解することができない(※運に左右される)
- フォーク組み立て時に規定トルクまで締め付けることができない
専用工具なしでのフロントフォーク分解が成功するか否かは運に左右されます。
ボルトとシリンダーはネジロックで固定してあるので、挑戦するのであればインパクトドライバーで一気に取り外した方が成功確率が上がるそうです。
鉄製専用工具を作るのは大変ですし、塩ビ管では締付け規定トルク「30N・m (3.0kg・m)」まで締め付ける前に山が舐めてしまうでしょう。
参考までに専用工具を使用せず、フロントフォークを圧縮させた状態での締め付けできたトルクは「15N・m (1.5kg・m)」でした。それ以上は滑ってしまいます。
皆さんは著者を反面教師にして、フロントフォークの整備の際は専用工具を購入されることをお勧めします。
社外品専用工具は4千円前後で販売されています。それを購入せずに自作に挑戦してみようという方は後日掲載予定の専用工具作製その②をご覧ください。
それでは、はじまりまじまり~♪
用意した工具
- メガネレンチ(KTC)
- ボックスレンチ&ラチェットレンチ(汎用)
- 六角レンチ(シグネット)
- 浸透系潤滑スプレー
- パーツクリーナー
- 電動ドライバー(振動機能付き)
- ネジロック(作業中断で使っていない)
- トルクレンチ(作業中断で使っていない)
- 新品 消耗部品(作業中断で使っていない)
分解手順
このやり方は間違いです!
インパルスのサービスマニュアルには「固定式バイス」「六角レンチ」「アタッチメントG」を使用して分解するように指示されています。
しかし「アタッチメントG」は比較的高価で社外品であっても4千円ほどします。できれば使用せずに済ませたいと思い、手を抜いてしまいました。
1.フロントフォークを取り外します。
取り外す前にフォークキャップ(トップ側)を少し緩めておきます。
2.フォーク内のオイルを抜きます。
3.バイス(万力)にキャリパー取り付け部分を固定した状態で、アタッチメントGと六角レンチを使いボルトを取り外します。
※専用工具なしで分解に挑戦してみようと言う方は、インパクトドライバーでの取り外し作業をお勧めします。詳しくはウェビックの「うまく緩めばラッキー!?フォーク分解…」ページをご参照ください。
1本目は専用工具「アタッチメントG」なしでも緩めることができました。
片側を分解した所です。
困ったこと「分解できない」
フロントフォークは、上記の写真にあるシリンダーにボルトをねじ込んで固定することにより、フォークオイルを密閉しています。
※シリンダーはダンパーロッドとも言います。
もう片方のフォークを同じ手順で分解を試みた所、フォーク内のシリンダーとボルトが供回りして分解できませんでした。
8mmの六角スパナを1本買ってきて、電動ドライバーに取り付けることが出来るように切断しました。
このやり方は間違いです!
インパルスのサービスマニュアルには「固定式バイス」「六角レンチ」「アタッチメントG」を使用して分解するように指示されています。
しかし「アタッチメントG」は比較的高価で社外品であっても4千円ほどします。できれば使用せずに済ませたいと思い、手を抜いてしまいました。
Webikeの記事には「一度目に取り外し失敗したボルトは、ほぼ取り外せない。だから一度目はインパクトドライバーで…」と書いてあります。詳しくはウェビックの「うまく緩めばラッキー!?フォーク分解…」ページをご参照ください。
それでも諦められず、出来ない可能性が高いと分かった上で挑戦しました。上手くいけばラッキー?
やはりと言うべきか
フロントフォークを圧縮させた状態で、電動ドリルの振動機能を使ってボルトの取り外しを試みましたが、ボルトとシリンダーが供回りして緩みません。
そればかりかボルトを何度も回したことで、ドレインワッシャーが摩耗してフォークオイルが底から漏れてきました。
続く
そのままではオイルで水たまりが出来てしまうので、フォークを取り外してフォークオイルを抜いておきます。
次回はアタッチメントGを自作した話をお送ります。
コメント
まずSSTは無くとも整備は出来る事。
あった方が楽に整備ができますよ、簡単にできますよ、と言うだけ。
実際に昔ながらの整備工場などはSSTはありません。
構造を理解していないから失敗する。
工具などの使い方も同じ。考えないで作業するからネジやボルトを舐める。
トミーさんへ
コメント下さりありがとうございます。
トミーさんが仰る通り昔ながらの整備工場では、専用工具(SST)を自作するのが通常かと思います。
斯く言う私自身もその後の記事で自作に挑戦してみました。
”あった方が楽に整備ができますよ、簡単にできますよ、と言うだけ。”
→本当にその通りだと思います。
バイクの整備に慣れており構造を理解していれば、専用工具(SST)の自作も簡単にできるでしょうし失敗することはないと思います。
また専用工具(SST)があれば簡単に、確実に作業を完了させることができるというのも事実であると思います。
みんカラやウェブサイトでは如何にも簡単にDIY整備ができるように掲載されています。
それを見て自分でも簡単に整備出来る!と思ってしまう人もいるでしょう…。その通り、著者である「私」です!
この記事のように「挑戦して失敗例の掲載がない」ことや「反面教師にしてもらいたい」と思い紹介しております。
フォークの構造も理解した上で「バネの力で外れるかも?」と振動ドリルで分解に挑戦して、オイル漏れを起こしています。ここは仰る通り笑ってやって下さい。
「フォークの構造」については改めて記事に載せようと思います。
サンデーメカニックでは「本職のように経験もなく」「休日の限られた時間」では、「専用工具(SST)の自作に挑戦する時間がとてもかかる」ということを著者のような一般のバイク好きの方に知ってもらいたいと思い記事にしました。
それでも時間に余裕がある方はDIYに挑戦されるでしょうし、確実に作業されたい方は専用工具(SST)を購入されるでしょう。
参考までですが、バイクショップでのフロントフォーク整備工賃は7,000円と紹介されていました。(片側1本のみor両側2本セットかは分かりません)
この記事や他のサイトを見て挑戦するか否かの判断は、読者の方々にゆだねられていると考えています。
その一材料となり、少しでも役に立てれば幸いです。
温かい目で見守って頂ければ有難く存じます。
フロントフォークを押し込み圧力をかけながらナットを回せば供回りしませんよ!
逆も然り圧力をかけながら締めれば締まります!
そして初心者にはインパクトドライバー利用はお勧めできません。
ったなちゅうさんへ
コメント下さりありがとうございます。
私も可能であれば専用工具なしで交換を行いたかったのですが、「フォークを押し込む力が弱かったのか」or「特別に固く締まっていたのか」取り外すことはできませんでした。
組み付けの際もフォークを圧縮させて組んでみたのですが、締付けトルクが「15N・m」あたりで滑ってしまい、それ以上締め付けることが出来ませんでした。
締付け規定トルクが「30N・m (3.0kg・m)」と指定されているのですが半分も締め付けることが出来ず、漏れないか不安になり専用工具を作成することとなりました。