スズキ インパルス GSX400 フロントフォークの整備に必要な専用工具「アタッチメントG」作製の第2回目です。
用意したものは「ボルト29mm」と「ソケットアダプター6.36mm(百円均一製)」です。失敗してもやり直せるように2セット用意しました。
インパルスのアタッチメントGのサイズは27mmです。
ボルトは丁度良いサイズがなかったため、削ることになります。
作製工程
1.バイス(万力)にボルトを固定します。
今回はポンチが見当たらなかったのでそのまま穴あけ工程に移ります。
3.電動ドリルと鉄鋼用ドリルビットを使って穴をあけます。
潤滑スプレーを吹きかけて油が切れないように穴をあけていきます。細いものから大きなビットへ交換して、少しずつ穴を大きくしていきます。
ソケットアダプター(6.36mm)がギリギリ入らない大きさまで穴をあけました。
4.パーツクリーナーで脱脂を行った後に、ハンマーで埋め込みます。
前回ソケットアダプターの厚みが足らずソケット内部が変形してしまったので、太めの番線(はりがね)を巻き付けてみました。
5.ボルトとソケットアダプターを溶接します。
この状態で溶接をしてみたところ、ソケット内部が変形することなくしっかりと溶着することができました。
溶接する際は、熱で歪まないようにバイスで固定した状態で溶接してみました。
7.ボルトの頭部分が27mmになるように、グラインダーで削ります。
はじめは研削砥石で削っていたのですが、非常に時間がかかりました。途中から切断砥石に変更したことで、27mmまで削ることができました。
自作工具 失敗作②と完成品
奥のモノが失敗作その②、手前のモノが完成品です。
失敗作②ですが、26.5mmくらいまで削ってしまい少し隙間があります。
失敗作②でも、フォークの分解作業は行うことができました。
しかし組み立て時に締付け規定トルク「30N・m (3.0kg・m)」まで締め付けることはできません。締付けトルクが20N・mに達する前に滑ってしまいます。
よって予備のボルトを使って改めて作ることにしました。
シリンダーのサイズを改めて測定してみたところ「幅28mm、深さ3mm」でした。
27.5mmを目安にして何度もやり直しを行い、削りだしたのがこちらの完成品です。
まとめ
ぴたりと嵌るように削りだした完成品ですが、締付け規定トルク「30N・m (3.0kg・m)」まで締め付けることができました。
しかし規定値ギリギリで、1N・mでも超えると滑ってしまいます。
参考までに
専用工具を使用せず、フロントフォークを圧縮させた状態での締め付けできたトルクは「15N・m (1.5kg・m)」でした。それ以上は滑ってしまいます。
専用工具作製の作業にかかった日数は「ボルトの溶接に1日」「ボルトの研削に1日(失敗作②)」「ボルトの研削に1日(完成品)」の3日です。
その度にバイクからフロントフォークを取り外し分解組立てをくり返しています。
とても手間と時間がかかった作業でしたが、いい思い出となりました。
皆さまには社外品でもいいので専用工具を購入されることを勧めします。
コメント
お疲れ様です、その部分は下のシートパイプを固定するボルトでトルク規定トルクかけるので、スプリング入れてシートパイプを上から少し押して固定してボルト閉めれば大丈夫ですよ。
元々シートパイプの上側はトルク掛けるようには造られてないですからね(^^)