“コンプレッサーを使わない、自転車用 空気入れでタイヤのビードを上げる方法”
これまで30本くらい手組みでバイクタイヤの交換を行ってきました。
決して多くはありませんが、少なくもないかな?と思っています。
「ビードワックスを買うなんてもったいない」と、石鹸水を使いタイヤ交換に挑戦される方もいるのではないでしょうか?ホイールが鉄製の場合、この方法だとタイヤ内部に水が残りサビの原因になるかもしれません。
タイヤレバーを使ったタイヤ交換は”時間と体力”を使う作業です。はじめて18インチのタイヤ交換作業した時には、4時間かかりました。
これまで苦戦や試行錯誤する内に、とても簡単にタイヤ交換する方法が見つかりましたので紹介します。「ビードを上げるコツ」と「極意」も書いていますので合わせてご覧ください。
- ビードブレーカーがあれば、どんな頑固なタイヤでもビードを落とせます。
- タイヤチェンジャーがあれば、タイヤの組み替えにコツなど要りません。
- 電動コンプレッサーがあれば、1分もかからず楽にビードを上げることができます。
騒音問題や保管場所、購入資金などの問題が解決できる方には電動コンプレッサーなどでのタイヤ交換をお勧めします。
本記事では「電動コンプレッサー」「ビードブレイカー」「タイヤチェンジャー」が気軽に使えない環境にある著者が実施している、自転車用 空気入れでタイヤのビード上げるコツや必須アイテムを紹介しています。
これらの便利工具を使用できない・買わずに済ませたい方々の参考になれば幸いです。
用意するもの(ビード上げを簡単にする必殺アイテム)
- タイヤ艶出し保護スプレー(泡タイプ)
- タイヤレバー(デイトナロング)×2本
- リムガード
- バルブ コア リムーバー
- カッター
タイヤ交換作業を容易にする必殺アイテム、その名は
「ビードワックス」から「石鹸水」「カーシャンプー」「CRC等の浸透系スプレー」「シリコンスプレー」など色々試してみましたが「タイヤ保護スプレー」が一番です。
「タイヤ艶出しスプレーを使用するメリット」
1.ホームセンター、車用品店で購入できる。
2.シリコンスプレーと違い低温火傷で手が痛くならない。
3.最も効果が高い。スプレーを吹き付け後はタマゴの殻を剥く様につるん♪と取り付け・取り外しが可能。
※ビートワックスを5点とした場合、石鹸水2点、保護材10点くらい。個人的な感想です。
タイヤ交換手順<取り外し>
1.バルブのコア(中心)を押し込んで、タイヤの空気を抜きます。空気を抜き終わった後にバルブ コアを抜き取ると、ビード落としが少し楽になります。
2.タイヤとホイールの間にたっぷりとタイヤ保護スプレーを吹きかけます。
3.タイヤレバーをタイヤとホイールの隙間に滑り込ませてビードを落としていきます。レバーの返しは上向きです。
ホイール全周をテコの原理で少しずつ隙間を広げていく作業を繰り返します。2~3周する内にはビードが落ちるでしょう。
具体的な手順は↓下の記事「バイクのタイヤをつるんと剥くコツ」に分かりやすく説明しています。※固くなり錆びついてビードが落ちない場合は下の記事を参照ください。
4.ビードが落ちたら、タイヤを取り外します。タイヤレバーを2本差し込み、同時にテコの原理で返してタイヤを外していきます。
5.長い方のタイヤレバーを引き抜きます。抜いたレバーを「ビードがホイールに乗り上げている部分」との境目に差し込みレバーを返します。
6.片面が完全に外れたら、タイヤとホイールの隙間からタイヤレバーを差し込んでホイールを取り外します。
タイヤ交換手順<取り付け>
1.ホイールと新しいタイヤにタイヤ保護スプレー吹きかけます。泡が落ち着いたら、余分な液をウエスで拭き取ります。
2.タイヤにホイールを差し込みます。足でホイールを踏んだ状態でレバーを差し込みます。
右のタイヤレバーに注目してください。
3.右のタイヤレバーのようにタイヤのビードを持ち上げた状態で、レバーの持ち手を「左側方向にスイングさせる」とタイヤがホイールに収まっていきます。
これをくり返すことで片面が綺麗にホイール内に収まりました。詳しい手順は下の記事を参照してください。
4.タイヤレバーを2本差し込み、テコの原理で同時に返します。
5.ホイール内に収めることが出来た部分をレバーや足などで押さえた状態でタイヤレバーを差し込み、テコの原理で返します。
同じ作業をくり返すことによって、タイヤをホイールに組み付けることができました。
タイヤの組み付け方法は下の記事に分かりやすく手順を載せています。良ければご覧ください。
自転車用 空気入れ 使用上の注意
ここで一つ注意事項があります。
「自転車の空気入れ」をバイクのバルブに直接差し込まないでください。
空気入れ側の内径が広がって壊れてしまいます。結果として少しの圧力にも耐えられなくなり、自転車の空気を入れる圧力でもポンっと抜けるようになりす。
写真 左側の様にエアーバルブ エクステンションを取り付けた上で使用することをお勧めします。
タイヤ交換<ビード上げ>
手動式 空気入れでのタイヤ ビード上げ作業は、国産タイヤ・ミシュランタイヤであれば2~5分くらい、格安タイヤであれば調整作業や工夫しながら2~10分くらいシュコシュコとポンピングしなければなりません。タイヤ交換だけでも大変な作業ですが、ビード上げも体力を使う作業です。
電動コンプレッサーがあれば、1分もかからず楽にビードを上げることができます。
騒音問題や保管場所、購入資金などの問題が解決できる方には、電動コンプレッサーでのビード上げをお勧めします。
- 自転車用 空気入れ:充填能力0.3MPa(300kPa)
- 100Vエアーコンプレッサー:充填能力0.78MPa(780kPa)
”参考 100kPa=0.1MPa=100kg/cm2、車/バイク適正空気圧:200kg/cm2=0.20MPa=200kPa”
「タイヤ艶出しスプレー」を使うと、自転車用の空気入れでも驚くほど簡単にタイヤのビードを上げることができます。
ビードワックスを使用した時のビードが上がる空気圧は概ね「0.25~0.35MPa(250~350kPa)」です。
17インチ GSX400のフロントタイヤでは「0.09MPa(90kPa)」でビードが上がりました。1例ではありますが、通常(ビードワックス使用時と比べて)の約3分の1の空気圧でビードを上げることが出来たことになります。
参考情報ですが、今回使用したのはホームセンター売り「798円」高圧タンクなしの品です。充填能力は0.3MPa(300kPa)ほどとなります。
タイヤのビートを上げるコツ<その1>
- コンプレッサーを用意したにも関わらず、空気を入れてもシューシュー音がするばかりで、ビードが上がる気配は全くない。
- 仕方なく近所のバイク屋やガソリンスタンドにタイヤを持ち込み、料金を支払ってビードを上げてもらう羽目になってしまう。
似たような経験がある方もいるかもしれません。
上の写真の様にタイヤのビードがリムに密着していない部分がありませんか?
この様な隙間がある場合はタイヤを地面に押し付けて、体重をかけながら転がすことでリムにビードをかける(隙間をなくす)ことができます。
それでも空気が漏れる場合は次を試してみて下さい。
- タイヤを立ててその上に体重をかけて座ります。
- その状態(地面に押し付けた)で空気を入れていきます。
リムとビードが密着しさえすればタイヤ内に空気が溜まるようになり、保護材のワックス効果で簡単にビードが上がります。
完成しました。
10インチ前後の原付バイク用タイヤであれば、この方法でビードを上げることができるでしょう。
タイヤのビートを上げるコツ<その2>
<その1>ではビードが上がらなかった場合の対処方法を紹介します。
写真の赤丸の様にタイヤのビードがホイールリム内の溝に落ち込んでいる部分はありませんか?または一部だけビードがリムに上がっている部分はありませんか?
扁平タイヤ(扁平率の低い:側面から見てタイヤ高さが低く薄い)やネイキッドバイクのフロントタイヤなど大きなタイヤによくこの現象が見られます。
- タイヤのビード表裏全周を一度、ホイールリム内の中央の溝に落とし込む。
- 側面から見てタイヤの幅が均等になっていることを確認する。
- タイヤの幅が均等になった状態を保ったままで空気を入れていく。
- 3を実施しても空気が溜まらない場合は「タイヤ立てた状態で3~5cmくらい持ち上げて落とす」という方法を試してみてください。
タイヤを少し持ち上げて地面にバウンドさせます。トントンという感じで、くるりと一周3~5か所くらい実施すると、ホイールのリムとビードを密着させることができます。
タイヤのビードとホイールのリムが僅かでも密着できていれば、空気入れ・コンプレッサーの空気を入れる勢いで簡単に空気が溜まっていきます。
それでもタイヤのビードが上がらないとき
新しいタイヤの左右のビード同士の幅が狭い箇所はありませんか?
新品タイヤ・中古タイヤの保管状態によって、ビード同士が部分的に狭く変形してしまうことがあります。狭くなっている箇所から空気が抜けてしまい、ビードが上がらない原因となります。
この様な場合は次に紹介する”極意”を実践してみてください。それでもビードが上がらない時には、電動コンプレッサーでビード上げを行うか改めて新品タイヤを購入する必要があります。
タイヤのビード上げの”極意”
- タイヤ艶出し保護スプレーを使用する
- 取り付ける前にタイヤの左右のビード同士の幅を広げておく
1.のタイヤ艶出し保護スプレーは、タイヤ交換作業(ビード落とし・組み換え・ビード上げ)を簡単にしてくれます。
2.タイヤ交換をする前に、写真の様に「1×4木材」をはめ込んだ状態で日光浴させます。片面30分~1時間ずつ、両面で1~2時間くらい太陽に当てて温めておくと良いでしょう。
こうしておくことで、タイヤのビード同士の幅を広げることができます。
”極意”を実施すれば、”タイヤ交換でビードが上がらない”悩みはほぼ解決するでしょう。
※格安タイヤ・中古タイヤを購入した方は是非行ってください。国産タイヤ・ミシュランタイヤの場合はおまじないでやっておいてもいいでしょう。
※木材をはめ込む時に、タイヤのビードを傷つけないように注意してください。
※木材をはめた状態で長期間放置しないでください。タイヤが変形してしまう恐れがあります。直前の数時間だけでも十分に効果があります。
”極意”を使っても、ビードが上がらない残念なタイヤ
写真は17インチ GSX400 リア”格安 新品タイヤ”の写真です。
”極意”を使ってもビードが上がらない”残念なタイヤはビードにキズがあるタイヤ”です。
上の赤丸印を見てみるとわかるように新品(届いて3日目)にも関わらず、ビードにキズというか凹みがあります。
組んだタイヤを取り外してビード同士をしっかりと広げた後に、10分間休まず汗だくになりながら高速ポンピングを実施しました。キズ部分以外のビードはすべて上がりましたが、キズの箇所だけはシューシューと空気が漏れてしまいビードが上がりません。
結局、セルフのガソリンスタンドにタイヤを持ち込んで、圧力タンク式の空気入れで空気を入れることになりました。
”タイヤのビードにキズがある”17インチ GSX400のリアタイヤでは「タイヤ艶出しスプレー」を使うことで、「0.15MPa(150kPa)」でビードが上げることが出来ました。
今回は購入したタイヤの状態確認を怠ったために、空気を入れるまでビードにキズがあることに気がつきませんでした。皆さんは格安タイヤを購入した際には、タイヤのビード部分にキズがないことを確認してください。
写真にあるように大きなキズが見つかった場合は、購入店で交換してもらうように依頼するといいでしょう。
ガソリンスタンドに駆け込まなくてもいいように、車のタイヤの空気圧を利用したビード上げツールを作ってみました。↓↓
おわり
タイヤ保護材をつかって楽々タイヤ交換作業♪お勧めですよ。(^ー’*)b
コメント
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
楽しく拝見させていただいております。
昨年、15年落ちのアクシス100を譲り受けまして、こちらの
記事を拝見しながら、プーリー交換他いろいろ修理いたしました。
残るはタイヤ交換くらい、しかしこれは流石にショップに出さなければ
ムリか?と思っておりましたが貴ブログをお手本にしながらやってみる
ことにいたしました。
本当にためになります。ありがとうございます。
SECRET: 0
PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
コメント下さりありがとうございます。
拙い当ブログを見て参考になると言って頂き、本当に嬉しく思います。
実際のタイヤレバーの使い方などは端折っておりますので、「YOUTUBE」の「バイク タイヤ交換」で検索表示される動画が参考になります。
ご自身で作業された場合、タイヤの処分が最後の難関となるかもしれません。
私はこれまで「ガソリンスタンド」「バイクショップ」「タイヤ処分業者への持ち込み」で処分してきました。
処分料金は様々で最安値が「処分業者への持ち込み」の場合が300円ほどで、最高値は「ガソリンスタンド」の1500円。平均すると500円~1000円が殆どでした。
今では近所のバイクショップ「2りんかん」が廃タイヤ持ち込み324円で引き取ってくれる為、そこにお願いしています。
「引取り可能か?」「処分費用」などは事前に電話にて確認されるといいかと思います。
コメント下さりとても励みになりました。こちらこそありがとうございます。
また宜しければ当ブログにご来訪下さい。
はじめまして。
タイヤ交換のやり方を調べていてこのブログを見つけました。
タイヤ保護材をビートワックスの代わりに使うというアイディア、素晴らしいですね。
自分もタイヤ保護材を使ってタイヤ交換を無事終えることが出来ました。
とても参考になりました。ありがとうございました。
hiroさんへ
コメント下さりありがとうございます。
無事にタイヤ交換を終えられ参考になったと言って頂き、大変嬉しく思います。
ブログを続ける励みになりました。こちらこそありがとうございます。
またお時間があればご訪問ください。
こんにちわ。自分はAF62DIOの前後タイヤ交換しました。色々調べてみたらこちらにたどり着き、やってみたところほんとに簡単に脱着できました。これほんと裏ワザです。お財布にもやさしく作業時間も短縮最高です!
大変参考になり助かりました。感謝いたします。
本日KTM125デューク初期型のタイヤ交換しました。タイヤの製造年月日から五年たち、ミゾはまだあるのですが、グリップ力が心配になり交換しました。 みんカラで評判の悪いインドタイヤ!ビードブレーカーでビートを落としたのですが、タイヤレバーの2本目が刺さらない!ゴイゴイやってみると、リムガードが割れる!ホイールにレバーの傷がいきトホウに暮れてましたが、こちらのサイトの裏技を思い出してベタベタにタイヤワックスを塗って少し待った後に作業すると、、不思議と上手くレバーが刺さりタイヤが外れました。 ありがとう!ありがとう
、^_^ タイヤレバーとリムガードの安物のセットはやめた方がいいですね、一生に一度しか使わなくても、メーカー品をお勧めします。ホイールやタイヤに傷をつけて泣きを私は見ました。
いろいろな方法が出ていますがこの方法がいいと思いやりましたが、完璧ですまたこの方法で次もやります為になる情報ありがとうございます
お役に立てた様でなによりです。コメントを頂けて記事を書いていく励みになります。