バイクのハンドルがガタつく原因はこれだった!DIY修理に挑戦しました

前回の記事で話していましたが、インパルスは加減速を繰り返す度に「ガックン、ガックン」ロデェオ状態になるという重大な欠陥を抱えていました。

まずはこの「ハンドルがガタつく、ぶれる」という欠陥から直していきたいと思います。

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原因究明

まずはバイクのロデェオ現象の原因を調査することにしました。個人的に一押しのメンテナンス用具「バイクジャッキ」と「お手製のバイクスタンド」を使ってリフトアップします。

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バイクジャッキの記事でも紹介しましたが、アタッチメントの長さが足りないため木材を噛ましています。これから購入を検討されている方は「アタッチメントが2種類付属するもの」をお求めください。

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車体を上げた後、フロントフォークを持ちハンドル全体を前後上下左右に揺すってみました。するとステム部分に隙間ができており、笑ってしまうほどよく動きます。(*゚∀゚)ノアハハハ

原因はステムベアリングの不良により隙間ができていることが考えられます。

ステムベアリング交換作業

用意するもの

  • ステムベアリング上下
  • グリス
  • ベアリングプーラー
  • フックレンチ
  • 貫通式(マイナス)ドライバー
  • 平型たがね
  • ハンマー

ステムベアリングは純正品を購入すると値段が張ります。ベアリングの品番を調べることが出来ればAmazonや楽天市場で安く購入することができます。

参考までにインパルスはNSK製で上側「HR32005XJ」下側「HR32006XJ」です。費用は上下セット送料込みで三千円ほどでした。

グリスは極圧性に優れたグリスを用意します。極圧性とは金属どうしの摩擦面にかかる接触圧力が高く、油切れを起こしやすい箇所を指します。その様な箇所に強いとされるグリスであればどの商品でも問題ありません。

ただしモリブデングリスはベアリングを研磨してガタが出やすくなるそうなので避けましょう。今までは梅ジャムと呼ばれているWAKO’s ハイマルチグリース(ウレア系)を使っていたのですが、このグリスにモリブデンが入っていることを知ってからは使用をやめました。

これからグリスを探される方にお勧めなのは「マキシマ ウォータープルーフグリス」です。過酷な状況で使用され日々のメンテナンスがより必要とされるオフロードバイク業界で、ユーザーはもちろんショップでも標準グリスとして使われています。その有名度は「オフロードバイク␣グリス」で検索して頂けると分かりますよ。(・∀・)9

ベアリングプーラーはあれば確実かつ安全に作業ができるのですが無くても大丈夫です。プーラーが準備できない場合は壊してもいい「貫通式マイナスドライバー」または「平型たがね」とハンマーを用意します。

フックレンチはステムナットを取り外す際に必要な工具です。これから購入される方は「デイトナ スライド式リングスパナ」をお勧めします。このフックレンチには「アジャスト機能」と「トルクレンチ取り付けの四角穴(3/8インチ)」が付いている優れものです。

ベアリング交換に挑戦しました

ハンドルやフロント周りの部品を取り外していきます。トップブリッジを固定している袋ナットを取り外します。大きさが30mmもありこんなボックスレンチは工具箱に入っていません。ホームセンターへ走り買ってきましたが、これ一つで千円近くしました。

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袋ナットを取り外してフロントフォークを固定している箇所を緩めてやるとトップブリッジが持ち上がります。

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トップブリッジと一緒にメーターやライト周りもついて動きます。

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トップブリッジをずらすと、ステムナットが見えます。このナットをフックレンチという工具を使って外すのですが、その前に次の作業を行います。

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フロントホイールとフェンダーを取り外しました。ホイールを外しておくことでステムシャフト一式を下方向へ抜く準備ができます。

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ダブルナットで締めてあるステムナットを取り外しました。いきなり取るとスコンとフォーク周りが抜け落ちるので、取り外し前には手で支えておきましょう。

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ベアリングの油脂分は完全に切れており金属摩耗で痩せて錆びています。指で触ってもベアリングのローラーが回りません。

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インパルスは残念な姿となっていますが、バイクジャッキのお陰で少々押してもビクともしません。震度5以上の地震が起きたときにはあきらめましょう。ヾ(´▽`;)ゝナハハ

いよいよ圧入されたステムベアリングの打ち替え作業に取り掛かります。

方法は至って簡単です。貫通マイナスドライバーでベアリングとステムの隙間を打つのみです。途中で心が折れそうになりましたが何とか抜き終えることができました。

あまりにも必死に作業したため写真が残っていません。

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後日知ったのですが平型たがねを使った方が力がうまく伝わり効率よく抜くことができるようです。

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新品のベアリングを圧入した後にグリスをしっかりと塗り込みます。

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逆の手順で取り付けた後に規定トルクで締め付けて作業完了といきたいところですが、手持ちのフックレンチにはトルクレンチを取り付けることができません。

仕方なくこの辺りは感覚で締めてみました。ゴリゴリにきつく締めても、緩くてもベアリングボールやレースを傷めて摩耗の原因となります。

フロントフォークとホイールを取り付けた状態で繰り返し調整を行うことで何とか丁度よい加減で締め付けることができました。また機会があればデイトナ製フックレンチを購入してトルクのチェックを行いたいと思います。

ステアリングステム調整方法(サービスマニュアル指定)

1.ステムナットレンチを使って「規定トルク 400~500kg・cm」でステムナットを締め付ける。
2.ステアリングステムを5~6回、左右に回転(切り返し)させてベアリングを馴染ませる。
3.ステムナットを、1/4~1/2回転戻す。

 

マニュアルには上記のように記載されていますが、専用工具のステムナットレンチなど持っていません。

ステムナットレンチがない場合の調整 目安

ハンドルを取り付けた状態で

「車体を15~30度ほど傾けて自然にハンドルが切れるか否か」

を目安にすると比較的上手くいきます。

ガタつきが出ないように納得がいくまで調整を繰り返します。

ステムナットを締め付ける際の注意点

● 締め付けすぎると、ベアリングボールやレースを傷め、最悪ボールが割れます。
● 締め付けが弱く、ガタつきができると部分的に負荷がかかり、最悪ベアリングボールが割れてしまいます。

あとがき

試行錯誤しながらでしたが、何とか作業を終えることができました。ネットで見ると簡単そうですが実際にやると大変でした。

ベアリングを打ち換えた後の乗り心地ですが、スムーズそのもので全く別のバイクのようです。がぜんヤル気が出てきました。次回からは少しずつ残った不具合の修理をお送りしていきます。

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