2010年夏にヤフオクで買ったバイク、スズキEPOの記事の続きです。
スズキEPOの有名ブログ「2&4stライダー&ビートル」のオーナー「SUPER EPO」さんに感化され、サビだらけのEPOのレストアに挑戦しました。
(こちらの記事は、以前のブログ閉鎖に伴い消滅した記事を復刻したものです。)
旧車バイクのレストア
レストアとは
レストアとは、事故の「修復」や消耗が理由の「整備」ではなく、製造当時の姿を「復活」させることや「保存」を目的に行う修復や復元を指します。
要約すると「古くみすぼらしいバイクを、誰もが振り向くピカピカの新車同然に復活させる」ということです。
「消耗部品の交換」や「不良個所の改善」「細かい部分の洗浄、グリスアップ」を行うか否かは各々の判断に任されています。
バイクの分解
「SUPER EPO」さんのブログを見よう見真似でバイクを分解してみました。
使用した工具は「ボックスレンチ一式」「メガネレンチ」「+-ドライバー」「モンキーレンチ」「ニッパー」「カッターナイフ」「浸透系潤滑スプレー」です。
足りない工具などがあれば、その都度ホームセンターに走り工具を買い足して作業を行うという事を繰り返して下の写真の状態まで解体することができました。
しかし、ハンドルのステムを固定しているステムナットを外すことができません。
調べるとステムナットは「フックレンチ」または「引掛スパナ」と呼ばれるもので取り外すことが出来ることがわかりました。
これから購入される方は「デイトナ スライド式リングスパナ」をお勧めします。このフックレンチには「アジャスト機能」と「トルクレンチ取り付けの四角穴(3/8インチ)」が付いています。
締付け時にはトルク管理が必要となりますので「トルクレンチ取り付け穴」のあるデイトナスパナは重宝します。
スイングアームを別にヤフオクで入手しました。
スズキEPO同系統のRG系エンジンを搭載したマメタン(OR50)のものです。スイングアームを伸ばすことで10~12インチのタイヤも装着できるようになり、走行安定性も増します。
エポの改良を試みた先輩方の話では、エポと適合するのはハスラー6~8型で10型以降は不適合とのことです。またハスラー90、マメタン、モンキーロンスイ用スイングアームが付いたという話も聞きます。適合するか否か心配ではあったのですが、サイズはぴったりでした。
<EPOスイングアーム適合表>
○ 適合
・ハスラー50(6・7・8型)
・ハスラー80
・ハスラー90
・RG80E
・マメタン(OR50)
× 不適合
・ハスラー50(10型以降)
・RG50E
・GAG
※表に掲載されているものであっても、適合しない場合もあるかもしれません。保証はできませんので、流用される場合は個人の責任において実施してください。
塗装はがし
塗装を剥す方法は、グラインダーで「削る」方法と薬剤で「剥す」方法の2種類があります。
グラインダーで削る場合には「工具が必要である」「削りカスが出る」「作業音が大きい」などの弊害があります。
薬剤で剥す場合には「刺激臭がある」「保護メガネ、保護手袋が必要である」「薬剤によっては下水に流せない」「薬剤が残っていると再塗装したときに剥がれる原因となる」という弊害があります。
今回は薬剤で剥す方法を試してみました。
塗装はがし手順
タンクの塗装剥離作業を通して方法を紹介します。今回使用する剥離剤は「環境にやさしい!強力はがし液」です。全然はがれないという商品レビューもありますが、実際はどんなもか検証してみたいと思います。
1.全体に満遍なく剥離液を塗ります。
塗布して1分もしない内に写真1枚目の様に塗装が柔らかくなりますが、ヘラで擦ってもほとんど取れません。
2.剥離液を惜しみなく全体に塗っていきます。
ここまでで全体の3分の1くらい消費しました。ヘラで塗装を削っては液を塗りをひたすら繰り返します。
3.2時間頑張って上の写真の状態です。ビンの残り4分の1ほどもありません。
ここでギブアップし、高価な「はがし剤プロ」を使用しました。
4.「はがし剤プロ」を使用して30分後は上の写真の状態になりました。
5.塗装を剥がした後は、風呂場などでお湯とバスマジックリン、歯ブラシなどを使い薬剤が残らないように丁寧に洗います。
6.完全に乾燥させて作業終了です。
塗装はがしに時間がかかった理由は、タンクは再塗装されておりサーフェイサーが塗られているからでした。サーフェイサーは薬液での塗装はがしが難しいようです。
また剥離用薬剤を使用する際に自分の身体も周りの環境にも悪影響が及ばないように十分に注意事項を遵守しなければいけません。
タンクに続き「フレーム」「スイングアーム」の塗装も剥しました。
再塗装(POR錆び止め、ウレタン塗装)
完璧な一台をつくろうと錆び止めにもトコトンこだわりました。用意したのはPOR15という錆び止め剤です。非常に強力な錆止め剤でグラインダーで削ってもなかなか剥がれないという噂の一品です。ちなみにPOR15は手につくと1週間は取れません。使用した筆は固まり次回は使えません。
1.POR15メタルレディ(錆除去、下地処理剤)を全体に塗り、乾燥させます。
2.完全に乾燥した後に、POR15を塗ります。
新品なのですが強力に引っ付いており、缶が開きません。無理やりこじ開けました。
ブラックはとても伸びがよく使いやすいです。綺麗に塗装できました。
ステップもこのまま使用できるくらい綺麗に仕上がりました。
※POR15は紫外線に弱いため、上塗りが必須作業となります。
続いてPOR15シルバーを塗りました。ブラックとは打って変わり「だまになり」「ムラになりやすく」「伸びにくい」というのがシルバーを使った感想です。
丁寧に作業したのですが、何か所もシワが寄った部分ができて残念な仕上がりになりました。
3.POR15はそのままでは上塗りが出来ないので、乾燥後に「タイコートプライマー」を塗ります。
4.プライマーが乾燥したのちに、ウレタン2液スプレーで塗装を行います。
ウレタン缶スプレーの中では比較的安く購入できるイサム塗料のものを選びました。人体に有毒な溶剤が使用されているので、使用の際は防毒マスクなどを必ず着用しましょう。
ウレタン「シルバー」「クリア」を塗装して仕上がりました。ウレタン塗装の仕上がりはとても満足しています。それだけにPOR15シルバーのシワが寄ってしまった部分が大変残念です。
反省点
POR15シルバーは外観上重要な部分には使用しない。
これからはPOR15ブラックのみを使い、シルバーは二度と買いません。
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