バーグマン200は2014年初旬にスズキから発売されました。バーグマンとはスカイウェイブの海外名で、その名前を日本で使用したものです。
125㏄クラス(アドレスV125)よりも「排気量」「収納スペース」「車体」が大きく、自動車専用道路にも乗ることができます。
250㏄クラス(スカイウェイブ250)よりも「車体」が軽く、足着きも良いため、250㏄スクーターよりも、気楽に乗ることができます。エンジンは高回転型のセッティングとなっており、加速においても250㏄に勝ると評判です。更に「収納スペース」は41Lの容量を確保しています。(参考値、スカイウェブ:62L)
アドレスV125とスカイウェイブ250の中間の選択肢として(値段を含めて)、両方のいいとこどりをしたバイクと言えるでしょう。
オイル交換作業
オイル交換はバイクショップで頼むと3千円~5千円ほどかかります。ショップに任せるのもいいですが、自分で選んだオイルを入れてバイクの調子を五感で感じてみるのも良いものです。自分の手で愛機をねぎらってやることで、「愛着が湧き」「自身のスキルも向上する」一石二鳥です。
これより「自身で行うオイル交換作業」をお送りします。はじめての作業で1時間ほど、慣れてくれば30分程度で終わります。
用意するもの
- オイル(オイルフィルター交換あり:約1.3L、なし:約1.2L)
- オイルフィルター
- ドレンワッシャ(ドレインガスケット)内径14mm
- 廃油受け
- ウエス(廃油、汚れ拭き取り用)
オイルフィルターは社外品「キジマ オイルフィルター」を用意しました。「2りんかん」や「ナップス」「南海部品」などのバイクパーツショップで売られています。
・キジマオイルフィルター(マグネットなし):「105-521」
・キジマオイルフィルター(マグネット有り):「105-821」
※オイルフィルターを交換する場合には、純正部品の「フィルターパッキン(Oリング):09280-54001」を一つ手元に置いておくことをお勧めします。サービスマニュアルではオイルフィルターを交換するたびに、ゴムパッキンも新品交換するように指定されています。
純正部品一覧
・スズキ純正 バーグマン200オイルフィルター:「16510-45H10」
・スズキ純正 バーグマン200フィルターパッキン:「09280-54001」
・スズキ純正 ガスケット(ドレンワッシャ 13.8×18.8×4.8):「09168-14002」
純正フィルターが最も安い値段設定となっており、ウェビックで簡単に買うことができます。近所に「2りんかん」「ナップス」「南海部品」があれば店頭で純正部品を注文することもできます。
オイルは「ホンダウルトラG1」を用意しました。近所のホームセンターで最も手軽に購入できて、性能も間違いのない商品です。バイクパーツショップでは一割増しで売られています。
お金に余裕のある方やバイクを大切にしている方、長くバイクに乗りたい方、こだわりのある方にお勧めしたいオイルは「モチュール」です。
日本ではワコーズが有名ですが、モチュールは世界的に有名なオイルメーカーで、いわゆる「オイルの違いを体感できる」「エンジンの喜ぶ」オイルです。価格がホンダG1の2倍ほど掛かりますが、一度は「モチュール」を入れた愛機を体験されることをお勧めします。
- 17mmメガネレンチ
- 8mmボックスレンチ
- T型エクステンションバー
- マーカー
T型エクステンションバーがない場合は、百円均一のT型レンチのセット(右上のエクステンションバーと自転車用レンチ)でも代用できます。安物ですが侮れません。気軽に使えて役に立つ、百円均一のお勧め工具です。
オイル交換手順
1.暖機
オイルを抜く前に、エンジンをかけてオイルを温めて循環させます。暖機させることによって沈殿していたスラッジ(ゴミや鉄粉)を撹拌させて、古いオイルと一緒に排出することができます。
暖機時間の目安はドレインボルトやオイルパン(ドレインボルと周辺のオイルが貯まる部分)を手で触れて、温かく感じることができれば終了です。
2.古いオイル排出
ドレインボルトを取り外し、古いオイルを排出します。ねじ山が潰れていない限り、ドレインボルトをオイルパンから取り外すまでオイルはでてきません。ドレインボルトを油受けに落としてしまわない様に、素早く落ち着いて取り外しましょう。
3.オイルフィルター(オイルエレメント)交換
写真中央に写っているボルト3点で留められたカバーの中にオイルフィルターが入っています。ドレインボルトから古いオイルを排出した後に、オイルフィルターの交換を行います。
・ボルトを緩める前に、用意したペイントマーカー(百円均一で購入)で元の位置をマーキング(印をつける)しておきます。
これを行うことで、トルクレンチがない場合でも「締め付けすぎ」や「締め付け不足」を防ぐことができます。
・マーキングをした後にボルトを緩め、カバーを取り外します。
カバーを外すとオイルが50㏄前後でてきますので、廃油受けを用意しておきます。
・古いオイルフィルター(エレメント)を取り外します。
上下の写真で違いが分かるでしょうか。
下の写真にはOリングがはめてありますが、これが正常です。新しいオイルフィルターを取り付ける前に、ここの「Oリングのつけ忘れ」に注意しましょう。
・新しいオイルフィルターを取り付けてカバーをした後に3点のボルトを締め込みます。
・ドレンボルトに新しいドレンガスケットを取り付け、適正トルクで締め込みます。(締付けトルク:23N・m)ガスケットは内径が14mmのものであれば汎用品が使えます。
4.新品オイルを注入
新しいオイルを規定量「1.2L」給油口から注油します。一度エンジンをかけてアイドリングさせたのちに、オイルゲージをチェックしながら必要に応じて追加でオイルを入れます。
(オイルフィルターを交換した場合は50㏄程度が目安となります。)
5.その他
バーグマン200にはオイルストレーナーが付いています。本来であれば取り外して洗浄するのが好ましいのですが、今回はガスケットを用意していなかったため洗浄工程は省いています。
・スズキ純正 バーグマン200ストレーナー:「16520-09402」
・スズキ純正 バーグマン200ストレーナーガスケット:「16524-46G00」
まとめ
オイル交換の注意点をいくつか挙げます。
- オイルをオイルゲージの「規定ラインまで入れること」「規定ライン以上に入れ過ぎないこと」です。
- ボルトに砂やゴミが付いた状態で、締め込まないこと。
- ドレインボルトを適正なトルクで締め付けること。
- 小さなボルトに対して、大き過ぎる工具を使わない。適正な工具を使う。
- パーツクリーナーを多用し過ぎない。
パーツクリーナーは脱脂や汚れ落としに大変便利な溶剤ですが、「ゴム製品」や「プラスチック製品」「塗装面」に吹きかけると表面や素材そのものを傷めて、品質を劣化させることがあります。ゴムパッキンには絶対に溶剤がかからないよう注意が必要です。誤って付着してしまった場合は、新品部品に交換しましょう。
上記の事に気を付けて作業を行えば、失敗する事はないでしょう。作業に慣れるまではトルクレンチを使用することをお勧めします。トルクレンチはホームセンターやネットショップで購入できます。一つ手元にあるだけで、自信をもって作業することができるようになります。
いかがでしたでしょうか。オイル交換も簡単に行えそうですよね。この記事が皆様の参考になれば幸いです。
コメント
そろそろ自分でバーグマン200オイル交換しようと思ってて参考になりました
一つ質問させてください
ドレンプラグ17mmは確認できてるのですが、ドレンワッシャーの純正品番がわかりません
ドレンワッシャー(純正)の情報教えていただけませんか?
コメントありがとうございます。
参考になったとのお言葉嬉しく思います。
スズキ純正のドレインワッシャーの品番はこちらです。
「09168-14002」
品番をネットで検索されると形状なども確認できます。
ストレーナーガスケットの品番が違うようです。
18524-46G00 ⇒ 16524-46G00
はぎぼん様
ご指摘くださりありがとうございます。先ほど訂正させて頂きました。