ブレーキパッドの残量がまったくない!新品パッドに交換しました

ステムベアリングの交換の時から確認できていましたが、ブレーキパッドをパッと見るだけでも残量が限界だということは容易に見てとれます。

ブレーキパッドの交換の作業自体は「ボルトを3~4か所取り外してパッドを交換する」だけと簡単な作業です。しかしブレーキは故障すれば即事故につながるため、手の出しにくい場所でもあります。

「失敗しやすい箇所」「抑えておきたいポイント」を紹介しながらブレーキパッドの交換をお送りします。

参考までにバイクを使用する本人が整備する場合には整備資格は必要ありません。

自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならない。

自動車の使用者は、前二項の規定による点検の結果、当該自動車が保安基準に適合しなくなるおそれがある状態又は適合しない状態にあるときは、保安基準に適合しなくなるおそれをなくするため、又は保安基準に適合させるために当該自動車について必要な整備をしなければならない。

道路運送車両法47条より

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用意するもの

  • 新品パッド:2組
  • 鳴き止め用シリコングリス
  • 六角レンチ(できる限り精度の良いもの)
  • メガネレンチ
  • ネジロック(中強度)
  • ピストンコンプレッサー
  • トルクレンチ
  • 油性マーカー
  • ウエス
  • 液状研磨剤(ピカールなど)

交換手順

トルクレンチが用意できない場合は、ボルト類を緩める前にマーキングをしておきます。印をつけておくことで、組み付け時に「締め過ぎ」や「締め込み不足」を防ぐことができます。

1.六角レンチを用いてキャリパー赤丸の六角ボルトを緩めます。錆びついているようであれば浸透系潤滑スプレーを吹き付けておくと取り外しやすくます。

ポイント! ここの六角ボルトは固く締まっていることが多くヤマをなめてしまう可能性があります。六角レンチはできる限り精度の良いものを使用しましょう。ホームセンターの安物を使ってしまうとヤマをなめることがあります。参考までに私は「SIGNET製」を使っています。本当であれば「スナップオン」「KTC」がよいのですが財布との兼合いで「SIGNET」で落ち着きました。

私が愛読しているブログ「バイク修理人生」を書かれている「POWER TECH」オーナーの言葉です。

いや~、これはドキドキもんの作業ですね。
こうなると頼りになるのが良い工具なのね。
この手の作業の成功率は、工具80%、技術力20%で決まります。
ほぼ工具の良し悪しで決まるっちゅうことですよ。

工具を値段で妥協してしまっている時点で私はまだまだ未熟者ということです。

2.フロントフォーク側の赤丸2か所のボルトを取り外します。

3.キャリパー側のあらかじめ緩めたボルトを完全に取り外します。

4.パッドはキャリパー側のボルトで固定されているので、ボルトを取り外した時点で簡単に取ることができます。パッドピンと呼ばれることもあります。

取り外したパッドは本当に限界でした。車検は完全に通りません。

5.汚れたピストンをピカールなどの研磨剤を用いて綺麗に磨き上げます。

ポイント! ピストンを汚れや錆びをそのままにすると、ピストンシールを傷つけてフルード漏れを起こします。

6.マスターシリンダーの蓋を開けます。フルード残量が多い場合は噴きこぼれを防ぐ為にいくらか抜いておきます。

ポイント! 噴きこぼれたフルードが塗装についた場合、塗装を傷めることがあります。塗装の種類によっては剥がれてしまうこともあります。

7.綺麗になったピストンをピストンコンプレッサーを用いて押し込みます。

ポイント! ピストンはまっすぐ押し込むように心がけましょう。無理に斜めに入れてしまうとピストンやキャリパー内面を傷つけてしまい、最悪の場合キャリパー交換が必要となります。

8.ピストンの当たり面に鳴き止めのグリスを塗り、パッドをキャリパーに組み付けます。

9.フロントフォークにキャリパーを規定トルク(31~34N・m)で締付けて固定します。

抑えておきたいポイント! ボルトにはネジロック(中強度)を塗っておきましょう。ブレーキ固定箇所へのネジロック塗布はバイクも車も共通でサービスマニュアルにて指定されています。ネジロックはホームセンターでも販売されているので容易に入手することができます。

ただし「強度」によっては永久固定してしまうものもがあるので、必ず「中」強度を選んでください。

10.取り付け後、ボルト類にマーキングをします。印をつけておくことでネジの緩みを目視で確認できるようになります。

あとがき

ポイントさえ押さえておけば、これまで恐る恐る行っていたパッド交換も自信をもって作業を行うことができます。この記事が皆様の参考になれば幸いです。

(ブレーキは保安上重要な箇所であるため、作業に自信がない方にはおすすめしません。)

分かりにくいところなどありましたらコメントから遠慮なくご連絡下さい。

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